隠岐古典相撲[おきこてんずもう]

夜通し三百番の取り組み

神社の遷宮など島内に祝い事があると、夜を徹して行われる「隠岐古典相撲」
15歳前後の少年から大人まで、三百番の取り組み。
各地域から選ばれた者が、地域の誇りを背負って挑む。

勝って負ける、二番勝負

古典相撲の取り組みは、一番目は真剣勝負。
二番目は先ほどの勝者が勝ちをゆずり、必ず一勝一敗となる「人情相撲」である。
勝敗のしこりを残さず、互いに讃えあう。島に住む人々の人情があらわれている。

地域の絆

地域の誇りを背負って挑む力士たち。
取り組みでは、大量の塩と声援がかけられる。
力士と観客、これだけの一体感が生まれるのは、地域に相撲が根付いているから。
大人も子供も参加する日々の相撲の稽古が、地域の絆を作っている。

島に息づく奉納相撲

 日本の国技「相撲」。もともとは五穀豊穣などを願う祭りの「奉納相撲」として行われ、神々に敬意と感謝を表すためのものであった。
 隠岐では、神社の遷宮や学校の開校記念など、島内で祝い事がある時に「古典相撲」が夜を徹して行われている。起源は定かではないが、江戸時代の文献に隠岐一宮「水若酢神社(みずわかすじんじゃ)」の20年に1度の遷宮で奉納相撲(宮相撲)が開催された、との記述が残っている。

役力士は島男の誇り

 古典相撲は、祝い事や神社遷宮の地域を「座元」、その他の地域を「寄方」とし、東西に分かれて取り組みを行う。横綱はなく、古式に沿い大関が最高位、あとに関脇、小結と続く。役力士に選ばれることは、島の男たちにとって名誉あることで、中でも「正三役大関」は、ただ力が強いだけではなく「心・技・体」が備わった実力者が選ばれる。地区の推薦、そして寄方の総会で決定されるため、各地域の思いを受け勝負を行うこととなる。